入院時食事療養費と給食委託契約食費とのかい離

入院期間中の食事の費用は、健康保険から支給される入院時食事療養費と入院患者が支払う標準負担額でまかなわれいています。

入院時食事療養費の額は、厚生労働大臣が定める基準にしたがって算出した額から同じく厚生労働大臣が定める標準負担額を控除した額となっています。

患者さんは標準負担額(1食260円)だけを支払うことになっています。

病院食の費用は、調理にかかる金額が給食委託会社にそのまま入って来る訳ではなく、給食委託会社と施設側との契約で取り決められた金額を施設側から給食委託会社側へ納められるようになっています。患者さんが負担している食費とは必ずしも一致しません。委託契約によっては患者さんの標準負担額にすら満たない契約金の事業所もあります。

給食委託契約での食費はかなり安く、給食委託会社は食材費管理にかなりシビアにならざるを得ません。

どうしても食材費や人件費を抑える為冷凍野菜やカット野菜を使用する率が高くなってしまいます。

しかしながら、患者さん側からしてみると負担額260円と健康保険から支給される食事療養費との金額と比較して、実際出てくる食事が貧しいと感じるとクレームを出してこられます。

当然のことながら患者さんに委託事情を伝える訳にもいかず、少しでも患者さんに満足してもらおうと食材費にかけるコストが少し高くなると、今度は給食委託会社から計数が悪いと注意を受ける・・・。

給食委託会社の栄養士の立場と栄養としての立場の板挟みになることが多いのです。

「お金」がなければ「気持ち」で誠意を

患者さんに給食委託状況を理解してもらう訳にはいかないので、とにかく食事に関して工夫をしました。

素材にお金をかけられない分、手間をかけて見た目を良くする工夫をと考えました。

しかしながら、給食委託会社はいつもマンパワー不足のことが多く、手をかけることも難しいことが多かったです。

卸業者から相見積もりを取り、少しでも安価で入手できるところから商品を卸してもらうようにしたり、行事食の回数を増やし、その分普段の食材費を抑えるようにしたり、器を個室の患者さん分だけでもと陶器のものに変えたりと様々な工夫に取り組みました。

また、入院中の全患者さんの食事内容のクオリティを上げることやニーズに応えることは難しいけれど、せめてターミナル食は充実させようと、終末期の同意書取得済の患者さんに関しては、嗜好調査で出た希望について全対応とするよう工夫しました。

食事を提供している人の顔が分かるとクレームが出にくいのではないかと考え、病室訪問の回数も増やしました。喫食調査、残菜調査の回数を増やし人気メニュー、不人気メニューの把握も徹底的に行いました。

クレームが出た場合は、意見を出された患者様の希望のメニューを近日中に献立に取り入れることも意識し、「意見を出すとすぐ反映される」という満足度向上にも勤めました。

特殊な個別対応に関しては、調理師に依頼するのではなく、自分が調理現場に立ち、対応することもしていました。

「お金」がなければ「気持ち」を込める・・・このスタンスで頑張っていました。

 

 

 

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